第1章：知っておくべき貴金属買取の基本「4つのポイント」
1. 買取価格はどのように決まる？
買取価格は、国際相場（London Fixing等） を基盤とし、そこから貴金属の「品位（純度）」「重量」「状態」「需要」を加味して決定されます。特にK18やPt900といった品位（品位）は価格を大きく左右します。
2. 主要な買取対象アイテム
金（ゴールド）: 指輪、ネックレス、ブローチ、金歯、地金、メダル
プラチナ: 結婚指輪、ネックレス
銀（シルバー）: スプーンやフォークなどのカトラリー、記念コイン
その他: パラジウム、時計（貴金属部分）、工業用スクラップ
3. 買取相場の調べ方
売却前に必ず自身で相場を把握することが、不当な安値買いを防ぐ最善策です。
田中貴金属ジュエリーや第一商品などの主要精練業者のサイトで公示小売価格と買取価格を確認。
金融情報サイト（例：金マート）で国際金価格（USD/ozまたはJPY/g）をチェック。
※買取価格は公示価格の70%〜90% 程度が相場です。100%を謳う業者は極めて稀であり、注意が必要です。
貴金属の主な品位表記一覧
金属 | 主な品位表記 | 純度 (%) | 特徴 |
金 | 24K | 99.99% | 純金。柔らかく傷つきやすい。 |
18K | 75.0% | ジュエリーに最も一般的。K18, 750と表記。 | |
14K | 58.5% | アメリカで人気。K14, 585と表記。 | |
プラチナ | Pt1000 | 99.9%以上 | 純プラチナ。 |
Pt900 | 90.0% | ジュエリーの主流。Pt900と表記。 | |
銀 | SV1000 | 99.9%以上 | 純銀。 |
SV925 | 92.5% | スターリングシルバー。アクセサリーに多い。 |
第2章：失敗しない！貴金属買取業者の選び方・比較ポイント
「無料査定」や「業界最高値」といった言葉だけに惑わされないことが重要です。以下のポイントで総合的に判断しましょう。
査定方法の明確さ
どのような機械で、どのような基準で査定するかを説明してくれる業者を選びましょう。X線萤光分析装置（XRF）などの精密な機械を使用しているかが一つの基準です。
透明性のある計算式
「国際相場 ○○円 × 重量 × 品位率 - 手数料」 のように、計算の内訳が明示されている業者は信頼度が高いです。
口コミ・評判の確認
Googleマイビジネスや口コミサイトで、実際の顧客の評価を確認しましょう。特に「査定額が他社と比べて妥当だったか」「対応が丁寧だったか」に注目します。
古物商許可証の有無
貴金属の買取事業を行うには、公安委員会発行の古物商許可が必須です。Webサイトのフッター等に許可証番号が記載されているか確認することは、悪質業者を避ける基本です。
複数社の見積もりを取る（相見積もり）
必ず2社以上で無料査定を受け、査定額と対応を比較しましょう。これが高額売却への最も確実な近道です。
第3章：高額買取を実現するための準備とポイント
査定額を最大限に上げるための準備をご紹介します。
付属品は揃える: 時計のベルト、宝石箱、保証書などは、状態証明になり、買取対象となる場合があります。
軽くて汚れを落とす: 柔らかい布で軽く拭く程度で構いません。自己流での研磨や洗浄は逆に傷をつける可能性があるので避けましょう。
品位刻印を確認する: 貴金属には「K18」「Pt900」「SV925」などの品位刻印が打たれています。事前に確認しておくと、査定の際にスムーズです。
数量が多い場合はまとめて売却する: まとめ買い需要により、単価が上がる可能性があります。
第4章：貴金属買取 よくある質問 Q&A
Q1: 無料査定とありますが、本当に一切費用はかかりませんか？
A1: ほとんどの信頼できる業者では、査定自体は無料です。しかし、査定後に売却を承諾した場合に発生する「手数料」 の有無や率は業者によって大きく異なります。査定前に必ず手数料体系を確認し、最終的な受け取れる金額を計算して比較しましょう。
Q2: 金歯も売れますか？
A2: はい、売却可能です。金歯はK18やK20など高品位の金が使用されていることが多く、高値がつく可能性があります。ただし、衛生面や倫理面から、取り扱わない業者もありますので、事前確認が必要です。
Q3: 訪問買取と店頭買取、どちらがお得ですか？
A3: 一概には言えません。訪問買取は便利ですが、人件費等が上乗せされ査定額が低めになる傾向があります。店頭買取は自分の足で運ぶ手間はありますが、その分、還元率が高い場合が多いです。宅配買取はその中間です。貴金属の量や価値、ご自身の都合に合わせて選択しましょう。
Q4: 売却時の身分証明書はなぜ必要ですか？
A4: 古物営業法により、盗品や紛失品の流通を防止するため、売主の本人確認（氏名・住所・生年月日） が法律で義務付けられています。これは良心的な業者ほど厳格に行っているので、信頼の証とお考えください。
第5章：成功案例紹介 - 東京都 Ａ様（50代女性）の場合
【売却アイテム】
故人の遺品整理で出たK18ゴールドのネックレスと指輪（計20g）
使わなくなったSV925のシルバーアクセサリー数点
【行動】
Ａ様は最初、近所の小さな質屋で査定を受けたところ、「まとめて8万円」という提示を受けました。しかし、本記事を参考に以下の行動を取りました。
品位刻印を確認し、金製品の重量を大まかに計算。
田中貴金属のサイトで当日の買取相場（約8,500円/g）を確認し、おおよその相場（20g × 8,500円 × 0.75 = 127,500円）を計算。
駅前の大型買取専門店と、有名ブランドの買取店の2社で店頭無料査定を実施。
【結果】
大型専門店： 115,000円
有名ブランド店： 125,000円 + シルバー分
最終的に、説明が丁寧で計算の内訳が明瞭だった有名ブランド店での売却を選択。最初の提示額からは+5万円以上のアップに成功しました。
【成功のポイント】
事前の相場調査で相場観を養った。
複数社の査定を実施して比較した。
計算の透明性の高さを最終判断の材料にした。
まとめ：安心と満足の買取のために
貴金属売却は、ご自身の大切な資産と向き合う行為です。「無料」や「最高値」といったキャッチコピーに飛びつくのではなく、相場を知り、複数の業者の実態を比較し、透明性のある提示をしてくれる信頼できるパートナーを見つけること。それが、結果的にご満足いただける最高の売却へとつながります。
本記事が、皆様の貴金属買取の成功に少しでもお役に立てれば幸いです。
